後世に残したいコピペ集

589 名前: 番組の途中ですが名無しです 投稿日: 2006/06/14(水) 21:31:12 ID:2vFz3lJv0


若い男が道を歩いていた。彼は、腰のベルトに、一本のコンバットナイフを提げていた。
 彼の歩きぶりは、傍目から見ればとても奇妙に映ったことだろう。彼は同じ道を行ったり来たり、何度も往復しているだけなのだ。何かを待っているのだろうか。
 その時、道の向こうから若い女性が歩いてきた。彼女は買い物袋を持っていた。
 彼はにやりとして、誰にともなく呟いた。
「買い物帰りの主婦が現れた」
 彼はコンバットナイフを抜いた。刃には、血がこびりついていた。
 彼はナイフを振り上げて主婦に襲いかかった。
「キャア、な、何ゴボッ」
 主婦は抵抗する間もなく、首にナイフを突き立てられて倒れ、息絶えた。
「買い物帰りの主婦は倒された。シンジは二万三千円と、五十三ポイントの経験値を手に入れた」
 主婦の財布を漁って、彼は言った。シンジとは、どうやら自分の名前のことらしかった。
 もう死体には目もくれず、彼は再び歩き出した。やはり同じ道を往復する。
 今度は彼の前を、中年のサラリーマン風の男が歩いていた。
「サラリーマンが現れた。まだ相手はこちらに気づいていない」
 彼はコンバットナイフを振りかざして背後から迫る。
「うわ何だ君ゴベッ」
 中年男は背中を刺されながらも抵抗した。彼は男の腹にナイフを何度も突き刺し、最後は首を掻き切って止めを刺した。
「サラリーマンは倒された。シンジは五万六千円と七十六ポイントの経験値を手に入れた」
 荒い息をつきながら、彼は呟いた。続けて彼は鼻歌で明るいメロディーを流した。
「シンジはレベルが上がった。最大ヒットポイントが七ポイント、力が三ポイント、素早さが一ポイント、器用さが二ポイント、知性が二ポイント、魅力が三ポイント、運が二ポイント上がった」
590 名前: 番組の途中ですが名無しです 投稿日: 2006/06/14(水) 21:32:55 ID:2vFz3lJv0

彼は言った。
「そろそろ、あれを試す時が来たな」
 彼は呟いた。
「その前に、宿屋に泊まるか。ただの宿屋に」
 彼は自宅に帰った。台所では両親の腐乱死体が転がっていた。何故こいつらはいつまでも消えずに残っているのだろう。彼は思った。
 彼は冷蔵庫を開けて適当に食べ、一晩眠って体力を回復すると、冒険の旅を再開した。彼は刃物屋で四万三千円の剣鉈を買った。コンバットナイフを半額で売ろうと思ったが出来なかった。
「強い武器も買ったし、やるか」
 彼は交番に向かった。外から観察して、警官が一人であることを確かめた。この裏技は、警官が一人でいる時しか使えない。
「すいませーん。ちょっと聞きたいんですけど」
 彼は抜き放った剣鉈を後ろ手に隠し、交番に入った。
「何だね」
 答えた警官の脳天に、彼は剣鉈を打ち込んだ。
「うわっ」
 鉈は警官の頭に数センチ減り込んだ。だが警官はまだ生きていた。さすがに今までの雑魚キャラとは違う。警官は鉈の刃を掴んで取り上げようとした。彼が鉈を引くと、警官の指が何本も切れて落ちた。
 彼は警官の胸に何度も剣鉈を突き刺した。
 手足を痙攣させて、ついに警官は動かなくなった。
「警官は倒された。シンジは百五十六ポイントの経験値を手に入れた。なんと警官はアイテムを持っていた」
 彼は警官の腰から、拳銃を取り上げた。
「シンジはピストルを手に入れた」
 彼はニヤリとして呟いた。
591 名前: 番組の途中ですが名無しです 投稿日: 2006/06/14(水) 21:33:56 ID:2vFz3lJv0

 彼は町に出て拳銃を発砲した。人々は驚いて逃げ惑う。
 ピアスをした若者が血を吐いて倒れた。
「シンジは七十九ポイントの経験値を手に入れた」
 杖をついていた老婆の頭が吹き飛んだ。
「シンジは三十六ポイントの経験値を手に入れた」
 置き去りにされた幼児の胸に血の花が咲く。
「シンジは四十二ポイントの経験値を手に入れた」
 背広の男の頭に穴が開き、眼球が飛び出した。
「シンジは九十三ポイントの経験値を手に入れた」
 いつの間にか、彼は警官隊に包囲されていた。
「すぐに銃を捨てろ。抵抗すると射殺する」
 刑事がメガホンで叫んだ。
「シンジは逃げられない!」
 彼は叫んだ。
「シンジは逃げられない!」
 十数の銃口が彼に向けられていた。
「やり直すか」
 彼は呟いた。彼は銃口を上げ、自分のこめかみに向けた。
「リセット」
 彼は引き金を引いた。