後世に残したいコピペ集

430 名前: 名無し物書き@推敲中? 投稿日: 2006/09/01(金) 17:35:51


豪快に水をきる音と、立ち上る湯気
見事に茹で上がった、それでいて形をくずさないトマトに
ぷつり、という風に串をさす


もし品質の良いトマトなら、これでも原型をとどめたまま
その差し入れた穴から、少量のソースが流れ出るはずだ。
トマト特有の青い香りと、生のトマトからは想像できない甘い香りが
調理するものの鼻をくすぐる


三四つトマトの刺さった串を、ステーキを焼くためのソースに浸し
その芳醇でスパイシーな旨味を茹でたトマトの甘みと馴染ませる。
誰もが一度は頬を緩めるであろう、肉厚のあるステーキのような風格が
あの瑞々しいトマトにそなわる、素晴らしい瞬間だ。
まさに、ナイフを入れる直前の、高級ステーキのような香りも、辺りに漂い始める。


やや頬を染めたような、ステーキソースと馴染んだトマト串を
最後はゴミ箱に捨てる。そもそも、トマトを煮て串に刺すなんて
まともな人間の考えることではない。