後世に残したいコピペ集

201 名前: 名無し職人 投稿日: 2006/07/18(火) 11:53:38


古い知人を訪ね片田舎の無人駅に降り立った私は、新鮮な初夏の風を胸一杯に吸い込んだ。
駅舎からの一本道は青々した田園の間を抜ける。舗装されてない土道の感触が心地良い。
ふと見やると、野良仕事に勤しむ老婆が珍しげに見つめており、目が合うや否や、
草を刈る手を止め、手にした鎌を私に目掛け投げつけてきた。間一髪でかわした私は、
高鳴る動悸を押さえつつ『精が出ますね』と会釈した。
『都会からかね?このあたりは田舎でなんもないがね』
老婆は屈託のない笑顔を見せた。そこには土とともに生きる人間そのものの姿があった。