後世に残したいコピペ集

79 名前:さく・え/ななし 投稿日:2005/07/03(日) 16:52:23 ID:???


狼は憤っていた。
全く―
何なのだ。
何だというのだ。
何だというのだこの家は。
一匹目の子豚の家は頬に貯めた息で吹き飛ばしてやった。
二匹目の子豚の家も胸まで息を吸い込んで粉々にしてやった。
しかしこの家は―


赤い煉瓦が俺の息を弾いている。
塗り固めた漆喰が俺の爪を拒んでいる。
樫で出来た扉までもが俺の牙が食い込む事を許さない。
何だというのだこの家は―
狼は獣の目でその家を睨んだ。
睨みつけた。


おや―
おやおや―
おやおやおやおや―
ご親切な事だ。
狼は思わず笑いをこぼした。
有るじゃないか。
あんな所に入り口があるじゃないか―
よじ登る。煉瓦の壁を。瓦の屋根を。その爪でよじ登る牙をきしらせながらよじ登るあの醜い豚どもをどう料理してやろうか臭一匹目は照り焼きに煙二匹目はゆで豚にこの臭いは三匹目は酢豚に酷く煙いなこうして煙突のふちに爪を掛けてほら入った―