後世に残したいコピペ集

217 名前: 名無し物書き@推敲中? 投稿日: 2006/02/08(水) 17:01:29


「私メリーさん。今駅にいるの」
まずい、もうそんな所まで来ている・・私たちは準備を急いだ。


「私メリーさん。今あなたのマンションの前にいるの」
電気を消して!私は叫んだ。暗くなる室内・・緊張・・


「私メリーさん。今あなたの部屋の前にいるの」
あぁ私たちはもう、息をひそめてじっとするしかなかった・・


「私メリーさん。今あなたの後ろにいるの」




メリーークリスマーース!!


はじける盛大なクラッカーと共に室内がパッと明るくなると、そこには綺麗に飾り
つけられたツリーとご馳走、そして赤い三角帽をかぶった懐かしい笑顔、笑顔、笑顔。


「やっぱメリーさん来るなら今日だと思ってたよー!クリスマスいつも一緒にやってるもんね」
「メリーさんいなくちゃパーティーは始まらない!ってか!」
「はいメリーさんプレゼントに着せ替えセット!」


引越し前の友達が今年も変わらず集まってくれた。
みんな私が置き忘れて行方不明になったメリー人形のことを、こんなに愛してくれていたんだ・・


「ごめんねメリーさん。あたしうっかりもんだからなー。もうどこにも離さないよ」
「つか帰ってくるの遅いっちゅーの!この子毎日泣いて探してたんだよ。ナニ、話せたり歩けたりするようになったの?」


メリーは動きもしゃべりもしなかった。
普通の人形に戻っていた。


でも、心なしか、メリーの表情はちょっとだけやさしくなっているように見えた。