後世に残したいコピペ集

666 名前: 名無し物書き@推敲中? 投稿日: 2005/12/04(日) 00:15:01


「ビザ」という単語がある。
その言葉を初めて耳にしたのが幼少の頃、
字幕映画を観ていた時のことだ。
舞台は南米、難民の佇まいの男が主人公で、
彼は飛行機を使い、どうしても行かねばならぬ目的地があった。
しかし、貧しさゆえにビザが無く、空港で門前払いを受ける。
男は泣いた、悔しくて叫んだ、「ちっくしょ! ビザさえありゃ!」


ビザという単語と意味を知らなかった私は
それを「ピザ」だと思い込み、そして男にヒーローを感じた。
ピザで解決? すごい、まるでホウレン草をむさぼり
肉体強化するポパイのようだと思った。


ピザを求めて奮闘する男、それは切ない姿だった。
この国の人達は意地悪で、差別があらわで、
難民だからといって、誰もピザを焼いてくれなかったのだ。
映画は終盤、ヒロインらしき女が嬉しそうに男へと駆け寄る。
「マイケル、ビザよ! とうとうビザが手に入ったのよ!」


しかし、女が持っていたものはただの紙切れで、
下地も、熱々のチーズも、サラミもソースも
何もあったもんじゃない紙切れただ一枚で、また差別かと思った。
だが、それを手にして咽び泣き飛びあがる主人公、「やったぞ! やったぞ!」
彼には失望しました。